CASE STUDIES Sansan Global Pte Ltd

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初の海外進出で「日本では当たり前のルール」が通用しないことを痛感
背後に「コンプライアンスの専門家集団」がいることで、
安心して健全な現地法人の運営が実現できています。

Sansan株式会社は「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションとして掲げ、クラウド名刺管理サービス「Sansan」と名刺アプリ「Eight」、
クラウド請求書サービス「Bill One」を提供しています。

日本国内では圧倒的なシェアと知名度を誇るSansanが、初の海外進出先に選んだ国はシンガポール。
シンガポールでは、トライコーの「現地国コンプライアンスの豊富な知見と経験」がSansanの現地法人運営の重要な役割を担っていました。

Sansan株式会社
本社所在地

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル 13F

企業概要(2021年3月現在)

Sansan Global Pte Ltd
※Sansan株式会社の100%子会社
設立:2015年10月
従業員数:13名
ホームページ:https://jp.corp-sansan.com/

お話を伺った方

ディレクター 福田 一紀 氏
(Kazunori Fukuda, Director)

サービス利用国

・シンガポール

利用サービス

・給与計算
・就労ビザ申請支援

利用開始

・2020年6月~

グローバル展開の第一歩、シンガポールへの戦略的進出

Sansanは2015年に初の海外進出先として、シンガポールを選びました。

日本で生まれた「Sansan」のサービスが、果たして海外に通用するのか?

この疑問を検証するための進出先として、シンガポールは他国に比べ、4つの側面で高ポイントだったといえます。

【シンガポールを選んだ理由】

  1. 日本から比較的距離の近いアジア圏であるため
  2. シンガポールはビジネス環境が英語であり、英語名刺の流通比率が高く、クラウド名刺管理サービス「Sansan」の11の対応言語でカバーできるため
  3. シンガポールには東南アジアをマネジメントする地域統括会社(RHQ: Regional Headquarters)があり、シンガポールを起点とした周辺諸国への販路拡大に繋げやすいため
  4. シンガポール国そのものはマーケットとしては小さいが、国土もそれ程大きくないことから、当社のような「地上戦での営業活動」を要するスタートアップにとっては、全域をカバーしやすいため

全方位的な役割と責任 - フロントからバックオフィスまで -

私自身は2017年にSansanに入社してすぐ、営業を中心としたフロント業務を担当し、出張の形で頻繁に日本とシンガポールを往来していました。
その後、組織が会社としての体をなしていくにつれ、正式にシンガポールに赴任し、バックオフィス部門の責任者を任されることになりました。
具体的には、採用も含めた人事労務、会計・経理のマネジメント、また「クラウド名刺管理」という当社のサービスの性質上、各国の個人情報保護法が論点となるケースがあることから、各法律・規制関連の解釈・整理などの法務業務などを担当しています。

現地法人運営に立ちはだかった壁

バックオフィスの責任者として現地法人の運営に携わることになりましたが、まずショックだったのは、自身にシンガポール現地の法令・慣習などの情報や知見が圧倒的に不足していたことです。私は前職(商社)で海外事業を担当していましたが、それは営業を中心としたフロント業務。バックオフィスの経験は、全くありませんでした。

2015年からシンガポール展開をしていたSansanですが、本格的に人員を増やし始めたのは2018年。
組織化するにつれ、遵守すべき会社法の知識が必要となり、従業員が増えるにつれ、労働法、雇用法、会計・税務のルールが増えていきます。さらに2020年は新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、シンガポール労働省(MOM)発令の各種ガイドラインの遵守も求められます。

法令の知識を得ても、会社の状況社会の情勢によって、また新たな法令やルールを業務に適用していかなくてはならない。前職では「当たり前」のようにバックオフィス部門がしっかりサポートしてくれていたので、その有難さを過小評価していたことは否めません。
バックオフィス業務の責任者でありながら、現地国のルールを知らずに悪意なく、無意識にルール違反している状況に陥っているのではないかと、毎日不安で仕方がありませんでした。

トライコーを選んだ理由 - コンプライアンス対応 -

福田 一紀氏写真
ディレクター 福田 一紀
(Kazunori Fukuda, Director)

会社としても個人としても、知見や情報ソースを増やすため、困った時には悩みを相談できるようなシンガポールでの人脈構築に注力しました。

当時直面していた労務問題について、ここで築いた人脈を活かすべく、ある日系企業さんに相談したところ、「バックオフィス業務専門のアウトソーサーに相談してみては?」と、トライコーを紹介いただきました。

外資系のトライコーに労務業務をアウトソースすることで、真っ先に浮かんだのは日本語対応が可能か、ということでしたが、トライコー・シンガポールには「ジャパン・デスク」が設置されており、労務・会計・税務の知見をお持ちで経験豊富な日本人スタッフがいらっしゃいますので、その不安は全くの杞憂でした。

トライコーとご縁を持つようになってからは、これから海外展開をしようとしている企業にとって大切なのは日本語対応だけではないということ、現地国のコンプライアンス対応の経験と知見の豊富さも、私たちの法人運営のリスク分散の上で重要なファクターである、ことに気づきました。

さらに、シンガポールを皮切りに、海外展開を本格的に行う計画をしている当社にとって、世界のグローバル企業のコンプライアンス意識や、それらを実務にどのように反映すべきか、などの知見を得られる機会は、大変貴重なものです。

なぜなら、先ほどもお伝えした通り、ルールを知らずに悪意なく、無意識にルール違反している状況に陥ることは、法人運営の命とりになる場合もあるからです。

日本で当たり前のルール、シンガポールでは適用できない

先日はチャイニーズ・ニューイヤーでしたが、シンガポールの場合、金曜、土曜が祝日でした。当社は土曜と被った祝日の振替については、自動的に翌月曜日を休みとすることを、社員、パートタイムに適用する就業ルールとして決めていました。

給与計算業務をアウトソースしている関係で、この点をトライコーに伝えたところ、パートタイムの場合の「祝日」の取扱いが日本と全く異なることを指摘され、大変驚きました。

日本と違ってシンガポールではパートタイム契約の場合、祝日は「休み」としてみなされず、祝日も想定勤務時間に応じた給与を支払わなければならないのです。
何の疑問もなく、日本人の「当たり前」感覚で決めていた就業ルールは、シンガポールでは適用できないことを知りました。

まさに「ルールを知らずに悪意なく、無意識にルール違反」をしてしまうところでした。
事前にご指摘いただいて、本当に良かったです。

Sansanが辿り着いた、管理業務の「業務の質」

このように、シンガポールに赴任してから、現地国のコンプライアンスを守ることの重要性を痛感してきましたが、コンプライアンスを遵守するのは「当たり前」のことです。
ここで言う「当たり前」とは、「当たり前のことを、当たり前の様に対応する」そして「ミスが許されず、できて当たり前」ということです。

悪意があるかどうか、ルールを知っていたかどうかに関わらず、ひとつのミス、法令違反が会社の存続をも危うくする可能性があります。
その「当たり前」をいかに実現するか、自社だけで本当に実現できるのか、思い切って業務のプロにアウトソースした方が良いのか、アウトソースするとしたら、どのような点に注意してアウトソーサーを評価するのか、という点をまずは社内の現状を踏まえて整理しておく必要があると思います。

アフターコロナ時代のこれからは、有事の際にどのような対応をするのか、などの検討も不可欠です。
「有事だから、お給料は払えません。」という訳にはいかないですから。

利用しているアウトソーサーのセキュリティレベルは最重要の評価基準です。
当社の給与計算をトライコーにお任せする際には、ITやサービス提供体制でのセキュリティ対応リモートワークを含めたBCP(事業継続計画)なども含めた評価をさせていただきました。

トライコーに期待すること

「当たり前」の重要性についてお話してきましたが、「当たり前とは何なのか?」という点は、当社のような歴史の浅く、海外に多くの拠点を持たない企業にとっては分からないのが実情です。

そのため、私のようなバックオフィス業務のマネジメントに携わる者とっては、現地国の実情や、(意図的にではなく)ルール違反を犯してしまいやすい事例などに関して、幅広い視点で的確なアドバイスがもらえるアウトソーサーは、非常にありがたい存在です。

トライコーは、たとえば給与に関する質問をした場合、労務からの観点だけではなく、会計や税務・法務などの観点も踏まえて、総合的なアドバイスをもらえます。それが、バックオフィス業務全体の安心感にもつながっています。

今後、当社はシンガポールをRHQとし、東南アジア諸国への進出も視野に入れていますが、トライコーはこれらの国々にも拠点を構えておられることから、業務の委託をトライコー・グループ内で一元的に完結できることも、当社の海外展開にとって大きな安心材料です。

プロに任せることで、業務の安定性リスク分散などの価値を実感していますが、責任者としての私にとって何より大きな価値は、コンプライアンスの専門家が、当社のバックオフィス業務を守っている、という安心感です。

このことが、当社の海外展開の加速化に貢献するであろうことは言うまでもありません。

そういった面でも、これからもトライコーのプロフェッショナリズムには大きく期待しています。